「免許は持っているけれど、ほとんど運転していない」「久しぶりに運転して、しかもトラックなんて大丈夫だろうか」。食品配送ドライバーに興味はあっても、運転ブランクが気になって一歩を踏み出せない方は少なくありません。
運転ブランクがある方が不安になりやすい場面と、入社前にできる運転感覚の取り戻し方、そして入社後に会社が行う教育の内容を、この記事で解説します。不安の正体を整理して、ひとつずつ準備していきましょう。
トラックの運転では、次のような場面で不安を感じる方が多いようです。
不安を感じるのは自然なことです。大切なのは、不安な場面を具体的に書き出して、ひとつずつ対策を考えることです。
運転に自信がなくても、会社が運転や安全の教育を行うことが求められています。国土交通省の「貨物自動車運送事業者が事業用自動車の運転者に対して行う指導及び監督の指針」では、過去に特別な指導や適性診断を受けたことがない運転者(初任運転者)に対して、次の指導を行うことが示されています。
指導の内容には、運転の心構え、運行の安全に関する基本事項、車両の構造上の特性、積載方法、運転支援装置の使い方、危険の予測と回避の技能などが含まれます。
参照元:【PDF】国土交通省(貨物自動車運送事業者が事業用自動車の運転者に対して行う指導及び監督の指針)
同じ指針では、初任診断は原則として、その事業者で初めて事業用自動車に乗務する前に受診させるとされています。やむを得ない事情がある場合は、乗務を開始した後1か月以内に受診させます。
指導の進め方や期間は会社によって異なります。入社前に、会社の研修内容を確認しておくと安心です。
会社の教育を受ける前に、普段の運転に慣れておくと、研修を落ち着いて受けられます。目安として、約1か月で次のステップに取り組む例をご紹介します。
免許証の有効期限、条件欄(AT限定など)、免許の取得時期を確認しましょう。取得時期によって、運転できるトラックの大きさが変わります。
最初は、交通量の少ない時間帯に、慣れた道を短い距離だけ走ります。経験者に同乗してもらえると安心です。
左折、車庫入れ、狭い道のすれ違いなど、不安な場面を一つずつ繰り返し練習します。左折のときは、左ミラーと目視(首振り)の確認を習慣にしましょう。
慣れてきたら、交通量が多い道や、少し長いルートにも挑戦します。無理をせず、できたことを確認しながら進めましょう。
一人での練習に不安がある場合は、ペーパードライバー向けの講習を利用する方法があります。教習所や自動車関連の事業者などが提供しており、インストラクターが横で教えてくれるため、一人で練習するよりも不安を相談しやすいのがメリットです。
都道府県によっては、警察が運転練習の機会を設けている場合があります。たとえば福井県警察では、運転者教育センターのコースで運転練習(無料)ができます。対象は、運転免許を持つ18歳以上の方で、ペーパードライバーや高齢運転者なども含まれます。内容は、約10分の法令・安全知識の講習と、約50分の運転練習です。予約制で、持ち込める車は普通乗用車または軽乗用車に限られ、条件もあります。トラックでの練習はできないため、運転感覚を取り戻す第一歩として使うイメージです。実施の有無や条件は都道府県で異なり、変更されることもあるため、お住まいの地域の運転免許試験場などに確認しましょう。
参照元:【PDF】福井県警察(運転者教育センターのコースで運転練習(無料)ができます)
面接や会社見学の機会があれば、運転への不安を正直に伝えたうえで、次のような点を聞いてみましょう。
運転に不安があることを最初に伝えておくと、会社側も教え方や担当ルートを考えやすくなります。
いきなり大きなトラックに乗る必要はありません。求人票で、使用する車両のサイズ(軽・1トン・2トンなど)、AT限定でも応募できるかを確認しましょう。小さな車両から始めて、慣れてから準中型などの免許取得支援を使ってステップアップできる会社もあります。
運転ブランクがあっても、不安な場面を整理して、少しずつ練習すれば、運転感覚は取り戻せます。入社後は会社が、座学15時間以上・実技20時間以上の初任運転者向けの指導と、初任診断を行うことが基本とされています。
入社前の練習、講習の活用、そして研修や車両について会社へ確認することを組み合わせて、安心して現場に出る準備を進めましょう。