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車両がなくても配送ドライバーにはなれる

この記事では、手持ちの車両がなくても配送業で働ける理由や、具体的な車両の手配方法である「リース」と「購入」の違い、そして現場で選ばれているおすすめの車種について解説します。自分に合った始め方を見つけるための参考にしてください。

車両がなくても大丈夫な理由

かつては「車持ち込み」が必須の条件とされることもありましたが、現在は状況が大きく変わりました。車を持っていない人でもスムーズに業務を開始できる仕組みが整っています。ここでは、代表的な2つの理由について解説します。

運送会社による「車両レンタル・貸与制度」の充実

多くの運送会社や業務委託元では、ドライバー向けに「車両レンタル制度」や「貸与制度」を用意しています。会社が所有する配送用車両を借りて業務を行うことができるため、自分で車を用意する必要がありません。

企業によっては「1日あたり数百円からの格安レンタル」や「初月レンタル料無料」といった手厚いサポートを提供している場合もあります。初期費用を抑えて仕事を始めたい未経験者にとって、非常に大きなメリットといえるでしょう。

注意点として、配送業務で使用する車両は必ず「事業用ナンバー(黒ナンバー)」でなければなりません。一般的なレンタカー(白ナンバー)を使用して有償で荷物を運ぶ行為は、法律で禁止されています。会社から借りる場合は問題ありませんが、自分で手配する際は必ずナンバーの種類を確認する必要があります。

個人向け「貨物車リース」サービスの普及

会社からの借り入れ以外にも、個人で契約できる配送業専用の「カーリース」サービスが増加しています。月額料金を支払うことで、自分専用の車両として軽バンなどを利用できるサービスです。

一般的な自家用車のリースとは異なり、配送業務に必要な黒ナンバーの取得手続きや、事業用の保険加入がプランに含まれているケースが多くあります。自分で車を購入するまとまった資金がなくても、月々の支払いで自分専用の仕事車を持つことが可能です。

配送車の用意の仕方

本格的に個人事業主のドライバーとして独立する場合や、長く仕事を続ける場合には、車両を自分で手配することを検討する時期が来ます。その際の主な手段は「リース」と「購入」の2つです。それぞれの特徴とメリット・デメリットをまとめました。

リース

カーリースは、リース会社が購入した車両を、契約期間を決めて月額定額で借り受ける仕組みです。配送業向けのプランでは、車両代金だけでなく、登録諸費用やメンテナンス費用が含まれているのが一般的です。

リースのメリット

初期費用を大幅に抑えられる点がメリットです。頭金が不要、または少額で済むため、手元資金が少ない状態でもすぐに業務用の車両を確保して開業できます。

経費管理が容易になる点も魅力。車検代、自動車税、メンテナンス費用などが月額料金に含まれているプラン(メンテナンスリース)を選べば、突発的な出費を防げます。毎月の支払額が一定になるため、事業の資金計画が立てやすくなります。

また、月々のリース料金は全額を経費(損金)として計上しやすいという税務上のメリットも。確定申告の際に、減価償却(資産の価値減少分を数年に分けて費用計上する手続き)などの複雑な計算をする必要がなく、経理処理がシンプルになります。

リースのデメリット

原則として契約期間中の解約ができないのはデメリットです。もし配送の仕事を辞めることになっても、契約期間が残っていれば違約金や、残りのリース料の一括返済を求められる可能性があります。

また、コスト面で購入する場合に比べて支払総額が高くなる傾向があります。金利相当分や手数料が含まれているため、長期間(3年~5年など)乗り続けると、結果的に割高になるケースも。

契約内容によっては、月間の走行距離に制限が設けられている場合があります。長距離配送をメインに行う場合、距離制限を超過すると追加料金が発生することもあるため、契約前の確認が不可欠です。

購入

新車または中古車を自分で購入し、ご自身で黒ナンバー(貨物軽自動車運送事業)の届出を行って使用する方法です。現金一括払いのほか、オートローンなどを利用して購入するケースも含まれます。

購入のメリット

長期的に配送業を続けるのであれば、リースよりもトータルの支払額を安く抑えられます。支払いが完了した後は毎月の車両コストがなくなり、利益率が向上します。

購入した車両は自分の資産です。将来的に事業を拡大する際の担保にしたり、廃業や乗り換えの際に売却して現金化したりすることが可能。特に軽貨物車は需要が高く、中古でも値がつきやすい傾向があります。

車両の利用に関する自由度が高い点もメリットです。走行距離の制限を気にする必要がなく、仕事の効率を上げるために荷室に棚を設置したり、好みの内装にカスタムしたりすることも自由に行えます。

購入のデメリット

開業時の初期費用が大きくなります。車両本体価格に加え、登録費用、リサイクル料金などのまとまった資金が必要です。ローンを利用する場合でも、頭金が必要になることがあります。

各種手続きや管理の手間がかかります。黒ナンバーの取得手続き(運輸支局への届出)、車検の手配、自動車保険の加入更新、定期的なオイル交換などをすべて自分で行うか、業者に依頼して管理しなければなりません。

故障や事故などのトラブル時に、突発的な出費が発生します。リースのようにメンテナンス費用が平準化されていないため、修理費用が発生した月は資金繰りが厳しくなる可能性があります。予備費を積み立てておくなどの対策が必要です。

オススメの車両

食品配送や宅配業務では、多くの荷物を効率よく積める「軽バン(軽貨物車)」が主流です。ここでは3車種を紹介します。

スズキ・エブリイ

軽貨物車の中でも大きめの荷室サイズを誇る、配送業界のスタンダードな車種です。バックドアの開口部が広く、四角いボディ形状のため、段ボールなどの荷物を隅々まで無駄なく積み込むことができます。積載量を優先したい方におすすめです。

ダイハツ・ハイゼットカーゴ

エブリイと並んで人気の高い車種です。燃費性能に優れており、長距離を走るドライバーにとっては燃料費の節約につながります。また、運転席周りの収納が充実しており、伝票や地図、ドリンクなどを使いやすく配置できるため、快適に業務を行えます。

ホンダ・N-VAN

助手席側のセンターピラー(柱)をなくした構造により、助手席と後部座席をフラットに収納できるのが特徴です。助手席側から長い荷物や大きな荷物をスムーズに出し入れできます。スタイリッシュなデザインで、プライベートでも使いやすい車種です。

まとめ

ここまで解説してきたように、手元に車がなくても配送ドライバーの仕事は始められます。「車がないから無理だ」と諦める必要はありません。

これから配送業に挑戦する方は、まず「運送会社の車両レンタル」や「短期契約のリース」を利用して、仕事を始めてみるのがおすすめ。

仕事に慣れて長期的に稼いでいく決意が固まった段階で、コストパフォーマンスの良い「中古車購入」や、自分好みの新車を「長期リース」で契約するなど、より有利な方法へ切り替えていくのが賢いステップといえます。