現在、オンラインショップ普及に伴い配送ドライバーの需要が高まっています。
軽貨物運送事業は比較的少ない資金と手間で始められることから注目が集まり、独立・開業を考えている方も多いでしょう。
有償の配送事業を行うには、車両に「黒ナンバー」の取得が必須となります。
この記事では、この黒ナンバーがどのようなもので、どうすれば取得できるのかなどの要件を解説します。
「貨物軽自動車運送事業」を行う車両に取り付けられるナンバープレートであり、有償で荷物を運ぶ軽貨物運送業に必須なものとなります。
軽貨物車両が主な対象であり、車検証の用途が「貨物」であることが必須でしたが、2022年10月以降は軽乗用車でも取得できるようになりました。
黒ナンバー取得には、いくつかの要件が存在し、それをクリアしなければ取得が認められません。
主な要件は以下の通りになります。
万が一の事故の際に、荷物や第三者への損害を賠償できる能力があることが必要です。
対人・対物賠償が無制限の任意保険への加入が良いでしょう。万が一に備えるためにも、無制限での加入を検討するべきです。
これら上記の要件を満たした上で、管轄の運輸支局に以下の書類を提出します。
これら要件をすべて満たし、適切に届け出を行うことで、黒ナンバーを取得し、軽貨物運送事業を合法的に開始することができます。
黒ナンバーの取得の手続き自体は、最短で1日で完了します。
スムーズに手続きが進んだ場合の話で、実際書類作成やナンバープレート、車検証の受渡しなどを含めると、一般的に3～5日間を目安にするといいでしょう。
黒ナンバーの取得手続きにかかる費用は3,000円程度で取得できます。
内訳としては
手続きを代行で行っている行政書士や業者に頼む場合は、別途2~4万円程度別途必要となります。
黒ナンバー車両は、自家用車に比べて走行距離が長く、使用頻度も高いため、任意保険料が高額になる傾向があります。
黒ナンバー車両は、軽自動車と比較するといくつかの優遇措置が受けられます。
また、税金は、事業の経費として計上することが可能です。
所得税や住民税は、個人の所得に対して課されるもので、事業の経費にはなりませんが、軽貨物運送事業で得た所得は確定申告の対象となります。
適切な経費計上を行うことで、課税所得を抑えることができます。
この記事では、ネット通販の普及とともに需要が高まる配送ドライバーの第一歩として重要な、黒ナンバーについて詳しく解説しました。
黒ナンバーは、有償で荷物を運ぶ軽貨物運送事業を行う上で必須の事業用ナンバーです。取得には車両や営業所、車庫に関する要件があり、運輸支局と軽自動車検査協会での手続きが必要ですが、最短1日で取得可能な場合もあります。費用も数千円と比較的安価に抑えられます。
もちろん、事業を始める上で知っておくべき注意点もあります。自家用車より高額になる任意保険料や、社会的なイメージに対する信頼構築の重要性、さらには法規制の遵守や安全管理の徹底などが挙げられます。特に、2025年4月からは「貨物軽自動車安全管理者」の選任が義務化されるなど、安全対策が強化されます。
しかし、これらの準備と対策をしっかり行えば、軽貨物運送事業は低資金で始められる独立開業の有力な選択肢となります。自分のペースで働き、頑張り次第で収入を増やせるなど、大きな魅力も秘めています。
この記事が、あなたが黒ナンバーを取得し、配送ドライバーとして新たなキャリアをスタートさせるための確かな一歩となることを願っています。疑問や不安を解消し、自信を持って挑戦してくださいね。
