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配送ドライバーの研修制度の内容とは

配送ドライバーを目指しているからには、運転技術は必要となってきます。

しかし、運転技術以外にもお客様への接し方や荷物の積み方などさまざまな知識とスキルも大事です。

この記事では、プロドライバーになるための研修制度について解説します。

研修の必要性

配送ドライバーとして安全に荷物をお客様のもとへ届けるためには研修が重要となってきます。

安全運転の確保

配送ドライバー向けの安全運転研修では、交通事故を防ぐために交通ルールの再確認や、「ヒヤリ・ハット」事例を通じた実践的な危険回避術を学びます。仕事としての運転は私用の運転とは異なるため、初心者でも安心して運転できるよう、安全運転の基礎をしっかり身につけることが重要です。

荷物の取り扱い品質の保持

荷物の破損や紛失はドライバーだけでなく会社の信用にも関わるため、研修では正しい積み方・運び方、伝票管理や機器の使い方など基本を徹底して学びます。特にクール便や精密機器などは個別の取り扱いルールがあり、研修なしでは対応が困難です。信頼されるプロとして働くために、荷物の取り扱い研修は重要です。

接客・応対マナーの習得

配送ドライバーは「会社の顔」としてお客様対応が重要であり、印象を左右します。研修では、あいさつや言葉づかい、クレーム対応、再配達時の対応など接客マナーを習得し、ロールプレイによる実践練習で現場対応力を高めます。

初任運転者教育と添乗指導の義務

多くの企業では研修制度を設けていますが、この研修は企業独自の判断ではなく、国土交通省によって法律で義務づけられているものでもあります。

国が定める「貨物自動車運送事業法」や「貨物自動車運送事業輸送安全規則」によって、運送業に従事するドライバーは、採用後に最低15時間以上の座学教育20時間以上の添乗指導を受けなければならず、これは初任者教育として義務付けられています。さらに、年に一度すべてのドライバーに対して行わなければならない「法定12項目の指導」もあり、交通法令の遵守、積載方法、過積載のリスク、健康管理、安全装置の使い方など、安全で正確な業務遂行のための内容が網羅されています。

これらの教育を怠ると、事業者は行政処分を受ける可能性もあるため、企業側も研修には真剣に取り組んでいます。

参照元:栃木トラック協会(https://www.truppy.com/common/pdf/etc/結合:03_改正告示溶け込み版.pdf

研修の内容

座学研修

最初に行われるのが座学研修です。ここでは、業界の基礎知識や会社の概要、日常業務の流れを学ぶとともに、交通ルールや道路交通法、過積載の危険性、トラックの構造、健康管理、安全装置の使い方といった安全教育も行われます。また、接客マナーやクレーム対応、不在時の連絡方法など、顧客対応に関する知識もこの段階で習得します。国土交通省が定める「法定12項目」の内容は、ここに網羅されています。

研修の内容は以下の通りとなります。

同乗研修(OJT)

指定の地域をベテランドライバーとともに宅配業務を行います。毎日の同乗で効率の良い周り方や駐車方法、止める場所、お客様対応のやり方などを学ぶことができます。個人差にもよりますが、飲み込みの早い方であれば1か月程度で独り立ちすることも可能です。同乗の上、独り立ち可能と判断した場合、単独での宅配業務に移ることができます。

参照元:株式会社グローバルサービス公式HP(https://global-kyujin.com/recruitment/training-system

まとめ

今回の記事は、配送ドライバーの研修制度について解説しました。

ドライバーは、運転の技術だけでなく、安全運転の徹底、お客様対応、荷物の丁寧な取り扱い、そして緊急時の冷静な判断力など、多岐にわたるスキルと知識が必要となってきます。

安全で質の高い配送サービスは、私たちの日常生活を支える上で欠かせません。その前線で活躍する配送ドライバー一人ひとりが、研修を通じてプロ意識を高め、責任を持って業務に取り組むことで、社会全体の信頼と安心を築くことができます。