配送ドライバーにとって渋滞対策は欠かせません。目的地にたどり着くためには避けられないことも多いです。近道をしようとしたら渋滞に巻き込まれることもあります。渋滞の原因を知れば避けやすくなるのです。巻き込まれても対策をしていれば、ストレスを小さくできます。
渋滞の原因でよくあるのは、サグ部、トンネル、合流地点などです。発生箇所と原因を知れば、ルート計画を立てるのに役立ちます。
サグ部は英語のサグから来ており、意味はたわみや落ち込みです。下り坂から上り坂の境となる箇所をサグ部といいます。下り坂を降りて次に上り坂を上がろうとすると、スピードが落ちるのはしかたありません。そのため上り坂に入る地点は、渋滞の起点になります。
また、傾斜角度も関係します。上り坂が急角度なら、ドライバーも気づいてアクセルを踏んで駆け上がろうとするものです。しかし緩やかな上がり坂だと気づきません。アクセルを踏み直さないため速度が落ちます。後ろの車は前方の車の速度が遅くなったのに気づいてブレーキを踏む、その後ろの車もブレーキを踏む、というように連鎖して渋滞が起きるのです。
トンネルに入ると一瞬ですが、周囲の視界が悪くなるとドライバーは危険を感じるものです。ブレーキを踏んだりアクセルから足を離したりしてスピードを落とします。後続車も、前の車のブレーキランプに気づいてブレーキを踏むという連鎖が起きるのです。
結果、トンネルの入口から少し入った地点で渋滞が発生します。理解した上でアクセルを踏もうとしても、ドライバーは「トンネルという暗くて狭い場所に突入する」というプレッシャーを感じればスピードは出せません。また、水はけのために中心部が盛り上がった構造のため、サグ部と同様の現象が起きるのも原因の1つです。
道路には複数の車線が合流する部分があります。側道からの車はその地点で合流するのですがスムーズとも限りません。側道から強引に合流しようとした結果、本線を走っていた車が急ブレーキをします。なんども起きた結果、渋滞が起きてしまうのです。
渋滞に巻き込まれるとノロノロ運転になり、ムダに時間が流れます。そのとき、眠気に襲われると危険です。事故につなげないために対策しましょう。
仮眠を取るだけでも違います。高速道路ならサービスエリア、一般道路なら、退避場所も含めて休む場所は多いです。停車して仮眠を取るだけでも結果が違ってきます。「自分だけは大丈夫」という油断が事故につながるのです。眠気があれば素直に仮眠を取りましょう。
停車して外に出て数分ほどでもいいのでストレッチをしましょう。体を動かせば眠気もなくなりますし、血流もよくなり頭もすっきりします。
高速ならサービスエリアやパーキングエリア、一般道なら公園でもいいので、一旦停車して水道で顔を洗いましょう。
常備していると助かります。一時的にでも目がすっきりすれば眠気を抑えられるからです。仮眠ができないときでも目薬なら気軽にさすことができます。
窓を開けると外の空気が入ってきて、気分転換になります。渋滞時でノロノロ運転なら、風もあまり入って来ないかもしれませんが、即効的な対策です。冬場は寒いですが、外の冷たい風が入ってくれば、多少は頭がすっきりします。
コーヒーを飲めばカフェインを摂取できます。とくにブラックコーヒーがいいでしょう。パーキングエリアやサービスエリアには、一般的なブラックコーヒーよりカフェイン含有量が多いコーヒーも売られています。コーヒー以外にカフェインが入っているドリンクもあるので、眠気を吹き飛ばしてください。
甘すぎない、刺激が強いガムを噛むだけでも対策です。アメでもかまいません。ただし、刺激が過剰に強すぎるものは、避けたほうがいいでしょう。
同乗者がいるなら、運転の邪魔にならない程度で会話をしてみてください。1人なら激しいリズムの曲をかけたり、歌ったりしましょう。
居眠り防止アラームという道具を使うのも有効です。耳にかけるタイプの場合、頭が一定以上傾くことでセンサーが検知します。バイブや音により、眠気が吹き飛ぶのです。居眠り防止アラームとともに、他の眠気対策を併用すれば、より高い効果が期待できます。
渋滞時のトイレ問題は、長距離を走る配送ドライバーなら覚悟が必要です。渋滞時以外なら、どうとでもなります。しかし一般道でも田舎にいけば、コンビニやガソリンスタンドが何キロも見つからないこともあるのです。
高速道路ならサービスエリアやパーキングエリアまで数十分、1時間かかることもあります。そのため、渋滞に巻き込まれたときを想定し、携帯トイレを常備しておくといいでしょう。
渋滞情報は特に注意して定期的に確認したほうがいいです。たとえば、JARTIC(公益財団法人日本道路交通情報センター)では、24時間、5分周期で、高速道路、都市高速、一般道の情報を更新しています。
5分周期ですから、道路の込み具合などの最新情報をいち早く得られるのです。眠気やトイレのこともありますが、時間通りに物を運ぶという点でも渋滞を回避するための情報収集をしましょう。