
トラックドライバーというと、一般的に男性の職業であるというイメージを多くの人が持つのではないでしょうか。確かに、体力や腕力が要求される長距離トラックドライバーの場合、勤務するのは割合でいえば圧倒的に男性のほうが多く、女性が活躍しやすい職業であるとは言えないかもしれません。
しかし、ルート配送ドライバーの場合には事情が異なります。国土交通省が主導する「トラガール推進プロジェクト*」など、最近では、女性のトラックドライバー業界進出のための支援事業を政府も積極的に行っていますが、ルート配送ドライバーは、トラックドライバーとしてはとりわけ女性が活躍しやすい仕事の一つです。その主な理由として以下のものがあります。
*参照元:国土交通省「トラガール促進プロジェクト」:(https://www.mlit.go.jp/jidosha/tragirl/)
長距離トラックドライバーと比べると、ルート配送ドライバーが扱う荷物は軽いものが多いです。荷物が軽くなれば、その分、積み出し・積み込み時の体力的な負担も少なくなります。もちろん、扱う荷物の種類によって違いはあるものの、特に食品ドライバーの場合、その傾向は顕著であると言えるでしょう。
夜通しで高速道路を駆け続け、勤務中は仮眠しかとることが出来ない長距離トラックドライバーと比べると、ルート配送ドライバーはライフスタイルを維持しやすいという特徴があります。顧客企業の営業前に配達を行う都合上、勤務開始時刻を朝5時~8時半と早い時間帯に設定している運送業者がほとんどですが、そうした業者では、終業時間も15時頃~18時頃と早くなっています。
そのため、例えば子育て中の女性であっても無理なく働き続けることができると言えるでしょう。また、繁忙期を除けば残業がほとんどない、という点もルート配送ドライバーの特徴の一つです。
配送ドライバーの仕事が女性には難しい…と言われがちな背景には、以下のような理由があります。
配送の仕事中は、お手洗いに行くタイミングがなかなか掴めません。配達の途中でお手洗いに行く場合はエリア内のコンビニ店舗などを借りる方法がありますが、荷物の時間指定があれば時間を確保することも難しいのが現状です。
ただし「慣れればそれほど気にならない」と語るドライバーも少なくはなく、配送ルートをしっかり確立させ、配送計画を立てて時間に少し余裕を持たせるなどすれば、十分にお手洗いに行くタイミングを確保することはできるでしょう。
配送ドライバーに任される荷物の中には、重たい物や大きい物があるため、女性にとっては「きつい」と感じる場面もあるでしょう。力のある男性と比較すると、1度に運べる量が少なくなってしまい、荷物を届けるのに何度も往復しなければならないことがあります。
ただし、荷物の持ち運びについての問題もお手洗いと同様、配送計画の効率化や慣れで解決できる問題ではあります。他の時間を短縮して荷物の持ち運びに時間を割いたり、力仕事への慣れで解決できる可能性もあります。
荷主である顧客や受取人などには、相手の配送ドライバーが女性だからというだけで失礼な態度を取ろうとしてくる人もまれにいます。時には理不尽なクレーマーに遭遇してしまうこともありますが、これに関しては配送ドライバーに限らずどの職業でも起こり得る可能性です。
国土交通省の資料「トラック運送業の現状について」(※)によると、全国の日本のトラック運転手の総数は約188万人であるのにたいして、女性は約4.7万人。これは全体の2.5%になります。数値から見てわかる通り、まだまだ男性が多い業界のため、どうしても「配送ドライバー=男性社会」というイメージが根強くなってしまっています。
*参照元:国土交通省「トラック運送業の現状について」:(https://www.mlit.go.jp/common/001225739.pdf)
女性の配送ドライバーだからこそ、気を付けておきたいポイントをいくつか紹介します。
女性は男性よりも体格が小さいことが多いため、自分に合った座席の位置とハンドルの高さをしっかり調整しましょう。これにより、長時間運転でも疲れにくくなります。
出発前に必ず車両の基本的な安全装備(タイヤの空気圧、ブレーキ、ライトなど)をチェックし、問題があれば早めに対処します。
運転中はスマートフォンの使用や他の気を散らす行為を避け、常に道路状況に集中します。特に女性はマルチタスクをこなすことが得意ですが、運転中は一つのことに集中するよう心がけましょう。
他の車両や歩行者の動きを予測し、危険を回避するための防衛運転を心がけます。車間距離を十分に保ち、急ブレーキや急ハンドルを避けるようにします。
特に夜間や人気の少ない場所での運転では、防犯対策をしっかり行いましょう。ドアのロックを確認し、停車中も周囲に気を配ることが重要です。
万が一の事態に備え、自己防衛のための簡単なグッズ(ホイッスルや小型の防犯スプレーなど)を携帯することも検討しましょう。
長時間の運転では定期的に休憩を取り、リフレッシュすることが大切です。女性は特に腰痛や肩こりになりやすいため、ストレッチや軽い運動を取り入れましょう。
雨や雪などの悪天候時は視界が悪くなるため、速度を落とし、車間距離を十分に保つよう心がけます。また、視界が悪い場合はヘッドライトを点けるなどの対策を行います。
配送ドライバーとして駆け出しの女性には、以下のような配送業務がおすすめです。
ルート配送とは、あらかじめ決まった企業・店舗に決まった商品を届ける仕事です。宅配とは異なり配送先や時間・順番がすでに決められているため、道順さえ覚えてしまえばルーティンワークとしてこなしていけるでしょう。
そのためルート配送の仕事をする女性ドライバーも多く、決まった時間内での稼働のためライフスタイルと両立しやすい点もおすすめできる理由の一つです。荷物も比較的軽いものが多いため、体力的な負担も抑えやすいでしょう。
アマゾンフレックスとは、アマゾンと直接業務委託契約を結ぶことにより、アマゾンの荷物を配送する仕事です。シフトが組まれるのではなく、アプリ上で「オファー(依頼)」の通知を受け取り獲得することによって、仕事が発生する仕組みになっています。
自分で仕事量をコントロールしやすいため都合に合わせて働きやすいのがメリットで、主婦が家事や育児の合間を見つけて働くことも可能です。軽貨物車量を自分で手配できれば、普通自動車免許とスマートフォンがあれば始められますよ。
性別関係なくドライバーとして活躍しているのが宅配の仕事です。子育てがある程度落ち着いた40~50代の女性ドライバーも多く、収入を安定させやすいのが特徴。朝の積み込みや階段の上り下り、夜間再配達といった体力仕事も求められますが、条件を指定して求人を探せば短時間勤務などからスタートすることもできますよ。
とはいえ、ルート配送ドライバーはまだまだ男性が多く、企業によっては女性が働きにくい雰囲気であることもしばしばです。
では、女性が働きやすい運送業者を見分けるにはどうしたらいいのでしょうか。いくつかの基準がありますが、主なものとしては、
等があります。
実際、配送業で働いている女性たちはどのような悩みを抱えているのでしょうか?当メディアでは、配送業に従事している111名の女性にアンケートを実施。配送業界で働いているときに困っていることや改善してほしいことを訊いてみました。
配送業に従事している女性が最も重要視していることは「労働時間が短い」(41.9%)であることがわかりました。ライフイベントによってどうしても残業時間が難しくなってしまうパターンがあることも関係していそうです。
次いで、重視されていることとしては「仕事内容が配慮されている」(32.4%)、「職場環境が整備されている」(9.5%)といったものが挙げられています。
職場に改善を求めていることとして、圧倒的に待遇改善(47.6%)が挙げられていました。運送業界全体の平均年収は、300万円~450万円ほど、ルート配送の全国平均年収は約403万円(※)になります。(※参照元:求人ボックス給料ナビ(https://xn--pckua2a7gp15o89zb.com/ルート配送の年収・時給)
配送ドライバーは運送業界全体の中では比較的高い年収と考えられますので、運送業界で働こうと考えている女性にとっては狙い目かもしれません。
「荷物の持ち運びが大変」(15.2%)という声もありました。また、「家事や子育てとの両立ができない」(12.4%)という困りごとも。
配送ドライバーであればノルマはなく、他のドライバーと協力しながら仕事を進められるため、困ったときも相談しやすくなる可能性があります。是非、配送ドライバーで働くときは職場の雰囲気をチェックしておきたいですね。
配送業界大手のアサヒロジスティクスは一つのモデルケースとして取り上げることができる企業です。アサヒロジスティクスには、2023年4月現在で100名以上の女性ドライバーが在籍しており、未経験者向けの研修はもちろん、産前産後休暇といった福利厚生、女性向けのデザインのユニフォームやトラックの用意など、社を挙げて女性が働きやすい職場環境の実現に取り組んでいます。

アサヒロジスティクスで行っている女性ドライバーに対してどのような取り組みをしているの?

アサヒロジスティクスでは女性が気分よく働ける環境を整えているの~。たとえば女性専用のトラックの配置!

女性専用トラックとは、どんなトラックなの?

運転席にカーテンをつけて、休憩時間などでも周囲の目を気にすることなく、リラックスして休めたり、小物を入れるための収納を増やしたのも特徴なの~。

休憩中に眠っている顔を見られるのは抵抗あるもんね!

トラックの荷台では、女性の身長に合わせて、荷物を固定するラッシングベルト置き場を低い位置に設置したの!

女性仕様に変更できるのは配送業界大手だからできることだね!

ユニフォームもWEBでの申請だからサイズで周囲を気にする必要がないの!不透明な袋に入って届くのも喜ばれているの!

そこまで配慮してくれるのは、女性ドライバーを大切にしている証拠だね!

2023年度は「快適職場プロジェクト」を立ち上げて、全社で環境整備を進めていくよ~。トイレや休憩室もキレイにしていくよ~。

キレイで快適な職場で働けるのは仕事へのモチベーションや生産性向上につながりそう!

女性が男性に相談しにくい内容の場合は、女性専用の相談コーナーも設けているの!メールで相談だから、安心して相談できるって評判なの~。

女性だけでなく、誰でも相談できるコーナーも設けているよ~。

物流センターの中には保育園が併設されているところもあるって聞いたけど?

そうなんだ!働くパパさん・ママさんのために、保育園を併設させているんだよ~。アサヒ人財育成大学の研修制度の企画で保育園を開園したんだよ~。

保育園が物流センターにあると、働き方が選べるし、近くに子供がいるから安心と評判なの!

こんなに女性が働きやすい環境を整えてくれるなんて感動だね!ぜひ、女性の方の声を聞いてみたいな~。
というわけで、女性トラックドライバー2名に
インタビューをしてきました!
高校卒業してすぐに
トラックドライバーになった方の
インタビューはこちら
コールセンター勤務から
トラックドライバーになった方の
インタビューはこちら

アサヒロジスティクスではトラックドライバーとして活躍したい方を大募集!ドライバー未経験の方も大歓迎!少しでも興味を持った方はぜひ応募してね!

アサヒロジスティクスではトラックドライバーとして活躍したい方を大募集!ドライバー未経験の方も大歓迎!少しでも興味を持った方はぜひ応募してね!
アサヒロジスティクスは昭和20年の創業以来、食品物流に特化。センター運営からトラック運行まで、自社オペレーションを一括で行っています。トラックの台数は1,600台超(1,696台)、ドライバー数は2,500名超、毎日500万人の食生活を支えている業界の中でも大手の企業です。
(2025年3月末時点、ドライバー数は2025年2月3日時点*)
*参照元:PR TIMES(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000080.000054516.html)