長く働き続けることを考えたとき、給与や賞与と合わせて気になるのが退職金制度の有無です。ここでは、配送ドライバーの退職金事情や制度の仕組み、相場の考え方、確認しておきたいポイントについて解説します。
退職金制度は法律で義務付けられたものではないため、会社によって「ある」「ない」が分かれます。大手・中堅の運送会社では、自社独自の退職金規定を設けているケースや、後述する中小企業退職金共済(中退共)などの外部制度を利用しているケースがあります。一方、退職金制度自体を設けていない会社も存在するため、入社前の確認が欠かせません。
契約社員やパート・アルバイト、業務委託契約のドライバーについては、退職金の対象外となっているケースが一般的です。正社員登用制度がある会社であれば、正社員化のタイミングで退職金制度の対象となることもあります。
中退共は、独立行政法人勤労者退職金共済機構が運営する、中小企業が退職金制度を持てるようにするための社外積立型の制度です※。事業主が掛金の全額を負担する仕組みで、掛金は損金または必要経費として非課税で扱われます。国や地方自治体による助成が用意されている場合もあります。
給付は原則として一時金で支払われますが、条件を満たせば分割払いを選択できる場合もあります※。また、転職先も中退共に加入している場合は、それまでの掛金納付実績を通算できる仕組みも用意されています。確定給付企業年金や企業型確定拠出年金との間で積立金を移管できる制度もあり、転職時の不利益を軽減する工夫がされています。
退職金は、勤続年数が長くなるほど支給額が増える設計になっている会社が一般的です。多くの会社では、勤続年数に一定の下限(3年以上など)を設けており、短期間での退職の場合は支給対象外となることもあります。自社独自の退職金規定を持つ会社では、「基本給×勤続年数×支給率」といった計算式で目安額を定めているケースもあります。
退職金の受け取り方には、退職時にまとめて受け取る「一時金」と、一定期間に分けて受け取る「年金型」の2種類があります。会社の制度によってどちらか一方のみの場合もあれば、両方から選べる場合もあるため、規定を確認しておくと安心です。
退職金制度の有無は、求人票の「待遇・福利厚生」欄に記載されていることが多いですが、記載がない場合は面接時に確認しても問題ありません。入社後は、会社の就業規則や退職金規程に、支給条件(勤続年数の下限など)や計算方法が定められているため、早めに目を通しておくと安心です。
退職金は勤続年数が長いほど支給額が増える設計になっている会社が多く、短期間での転職を繰り返すと、退職金を受け取れないまま次の職場に移ることにもなりかねません。長期的なキャリアを見据えて働きたい場合は、退職金制度の有無や支給条件も、会社選びの判断材料のひとつにするとよいでしょう。
配送ドライバーの退職金制度は、会社によって有無や内容が大きく異なります。中退共のような外部制度を利用している会社もあるため、求人票や面接で制度の有無・条件を確認し、長く働ける環境かどうかを見極めることが大切です。
※参照元:中小企業退職金共済(中退共)|用語集|企業年金連合会(https://www.pfa.or.jp/yogoshu/chi/chi04.html)